事故直後の対応 - 被害者側、加害者側、運行供用者責任

Q 交通事故に遭いました。事故現場ではどのようなことに注意すべきですか。

A まずは、加害者(相手方)の氏名、住所、連絡先や、加害者の保険加入の有無を確認しましょう。

事故の被害者は、加害者に対し、治療費や休業損害、慰謝料(いしゃりょう)、修理代等を請求することができます。
また、人身事故では強制保険である自賠責(じばいせき)保険に保険金の請求ができますし、加害者が自動車保険(任意保険)に入っていれば、直接保険担当者に請求することもできます。

他方で、車両同士の事故の場合、あなたにも相手方の損害を弁償しなければならない可能性があります。速やかにご自分が加入している保険会社の事故受付センターや、保険代理店に連絡をしましょう。

 

 

Q 交通事故を起こしてしまいました。まずすべきことは何ですか。

A すぐに停車して、被害者の救護に当たりましょう。また、直ちに警察や救急車の手配をしたり、事故を起こした車を危険でない場所に移動させる必要があります。

いずれも当然といえば当然の措置ですが、事故を起こした運転者の義務として、道路交通法という法律に定められています。

間違ってもその場から走り去ってはいけません。事故の加害者が負傷者を置き去りにして立ち去ると、それだけで最長10年以下の懲役という大変重い罪に問われることとなります。事故を起こすと気が動転してしまいますが、絶対に現場から立ち去らないようにしてください。

また、ご自分が加入している保険会社の事故受付センターや、保険代理店にも速やかに連絡をしましょう。

 

 

Q 事故現場で相手方から「50万円を弁償する内容の示談書にサインして」と言われました。サインに応じたらどうなりますか。私の任意保険から払ってもらえますか。

A 絶対にサインしてはいけません。事故直後は気が動転していて冷静な判断ができないことが多く、よく確認せずに相手の書類にサインしてしまうと、後でそれ以上の請求をされるおそれがあります。

保険会社に事故を知らせないまま相手の請求を認める書類(示談書、念書等)にサインした場合、保険会社から保険金の支払を断られる場合があります(保険の約款で規定されています)。その場合、せっかく自動車保険に加入していたのに、自費で相手への支払に応じることになりかねません。

 

 

Q 仕事帰りにコンビニに立ち寄り、買い物を済ませて駐車場に戻ると車がありません。エンジンキーを差したままで、盗難被害に遭いました。警察に通報し被害届も出しましたが、翌日警察から、未明に隣町で私の車が人身事故を起こしたとの連絡がありました。私が被害弁償をしなければならないのですか。

A 具体的な状況によっては、被害弁償をしなければならない可能性があります。

 

運行供用者の責任

自動車の持ち主の責任を認めた法律として自動車損害賠償保障法(略して自賠法、じばいほう)があります。

自賠法は、自分のために自動車を運行の用に供する者(運行供用者といいます)は、運行によって他人の生命、身体を害した場合にその損害を賠償する責任があると定めています。

ごく簡単にいうと、「自動車の運行を支配し利益を得ている者は、他人に与えた損害の責任を負いなさい」ということで、一般法である民法よりも責任の範囲を広げています。

「泥棒運転では持ち主は盗難被害にあったのだから、運行支配も利益もないはずだ」とは単純にはゆきません。裁判では様々な事情を考慮され、ケースバイケースで運行供用者責任が認められたり、否定されたりしています。

考慮事情としては、駐車場所が第三者から接近しやすい場所か否か、駐車時間が短時間か否か、エンジンキーの保管状況、警察への被害届を出すなどの措置をどの時点で取ったか、盗難と事故との時間的・場所的間隔、保有者と運転者との人的関係(全くの他人か、知人や家族か)等が総合的に判断されています。

 

あなたのケースでは、コンビニ駐車場という第三者も容易に出入りできる場所に夜間にエンジンキーを差し込んだまま駐車したことは大きな落ち度ですし、盗まれてから事故発生までの時間や、事故現場までの距離がどの程度かも気になります。

すぐに警察に通報して被害届を提出している点は評価できますが、それだけで運行供用者性が失われていると評価するのは慎重であるべきです。一度、弁護士に相談することをお勧めします。

 

 


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