民事賠償事件 - 高次脳機能障害

■高次脳機能障害の被害者の住居改造費、将来看護料等も含め、相手方保険提示額を倍増させる和解が成立したケース(後遺障害等級1級)

【事案】歩行中の被害者(男性)が車両にはねられ転倒し、脳挫傷、急性硬膜下血腫等の傷害を負い、緊急開頭手術等が行われたものの、精神・身体機能障害が残り、後遺障害等級1級1号(神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの)と認定。

相手方保険の賠償提示額は、既払いの治療費を除き、看護料、入院雑費、傷害慰謝料、逸失利益、後遺症慰謝料、将来看護料、車両改造費用等合計で約4700万円。

訴訟では、被害者には持病があり事故時は退職していたので逸失利益はない、将来看護料が高すぎる等の主張が相手方からなされた。これに対し、仕事に復帰するため職業訓練校に通っていたこと、家屋の改造や事故現場の写真撮影報告書、これまでの生活状況や事故後の日常生活、看護状況に関する詳細な報告書を提出して反論。

裁判所より、上記損害項目のほか、症状固定日以後の入院雑費、住居改造費用を含め、既払いの治療費を除いて相手方保険提示額の倍額を超える和解案提示があり、和解成立。

【コメント】本件のようないわゆる高次脳機能障害によって後遺障害等級1級が認定される場合、逸失利益のみならず将来の看護料を請求することができます。当面は身内の方が看護できても、将来は職業付添人よる看護が必要と認められれば、その分の費用も算定されます。

本件では、将来看護料の算定についての主張を裁判所にほぼ全面的に認めていただいたことで、高額の賠償を得ることができました。また、一つ一つの損害項目について丁寧な主張と立証を心がけたことで、裁判官の和解案提示に反映させることができたと考えています。

 

■高次脳機能障害の被害者の将来看護料を日額1500円とする和解が成立したケース(後遺障害等級5級)

【事案】業務中の原付バイク運転の被害者と相手方が運転する車両が交差点で出合い頭に衝突し、被害者は転倒して脳挫傷、急性硬膜下血腫、症候性てんかん等の傷害を負い、後遺障害等級5級(神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの)と認定。

相手方保険の賠償提示額は、逸失利益は労災の将来支給分を控除する、将来看護料は否定、過失相殺も考慮の上で約1700万円。

訴訟では、入院中から被害者にはてんかん発作が度々発症しているので、親族による将来看護料として日額3000円を主張。相手方は、現時点ではてんかん発作も治まっているので将来看護の必要性は乏しいと反論。

裁判所より、将来看護料を日額1500円を前提とした和解案提示があり、和解成立。

【コメント】自賠責保険では、介護を必要とする後遺障害としては精神・神経系統の障害、胸腹部臓器の障害の1級(常時介護)、2級(随時介護)のみであるため、3級以下の後遺障害では保険会社は将来介護費用を認めようとしません。しかし、裁判実務では3級以下の後遺障害においても将来介護費用を認める例が多数あります。

とりわけ、高次脳機能障害が存する被害者の場合は、身体介護の必要性が乏しくても、記憶障害、注意障害、判断力低下等のため、介護としての看視(見守り)、声かけが必要であるとして、1級、2級ほどの金額ではないにしても、将来看護料を認めるケースが見受けられます。

本件では5級でしたので将来看護料が認められるかどうかが微妙でしたが、事故後に症候性てんかん発作を繰り返していること、親族が発作時に救急車を手配したこともあること、現在発作が治まっているのは親族の見守りも含めて適切な服薬管理がなされていること等を丁寧に立証しました。その上で、高次脳機能障害の5級事案で将来介護料を認めた裁判例を複数証拠提出したこと等から、裁判官の和解案提示に反映させることができたと考えます。

 

 

このほかにも、きたむら法律事務所では高次脳機能障害の賠償事案を多数扱っております。
このように、交通事故の事案において弁護士が関与することで、まっとうな被害回復がなされることは、決してレアケースではないのです。


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