刑事事件 - 罰則、行政処分 - 点数制度、被害者参加制度

Q 交差点を左折する際に、後方確認不足で自転車と接触し、骨折の重傷を負わせてしまいました。私は今後警察からどのような取調べを受けるのですか。罰金を払ったり、刑務所に入ることはありますか。運転免許はどうなりますか。

A1 刑事事件の手続の流れ

過失運転致傷罪に問われる可能性があり、被疑者としての取り調べを受けることとなります。

 

まず事故現場で警察官から事故状況の説明を求められます。あなたの指示説明をもとに、警察官は実況見分調書(じっきょうけんぶんちょうしょ)という図面入りの報告書を作成します。

後日警察署に出向き、警察官から詳細な事情聴取を受けます。あなたには言いたくないことは言わなくて良いという黙秘権(もくひけん)が認められています。事実と異なる説明を要求される場合には、応じる必要はありません。

あなたの説明内容をもとに、警察官は供述調書を作成します。その内容をあなたが確認し、間違いがなければ署名、捺印を求められます。供述調書は後々の証拠になりますので、よく内容を確認し、違う点があればサインをする前に必ず訂正を求めてください。

 

警察での捜査が終わると事件は検察庁に移ります。担当の検察官から事情聴取を受け、供述調書への署名を求められます。

検察庁では、あなたにどのような刑事処分を下すかを検討します。具体的には、不起訴とするか、罰金にするか(略式請求)、正式な裁判にするか(公判請求)を検討します。不起訴は検察庁の判断だけで済みますが、罰金以上は裁判所の判断を仰ぐ必要があります。

一般に、罰金の場合は裁判官による書類審査で済みますが、禁錮(きんこ)、懲役(ちょうえき)等、刑務所に収容する刑罰を求める場合には、裁判所に出頭し、テレビで見るような裁判手続きに臨まなければならなくなります。

検察官が刑事処分を判断する際のポイントは、事故の態様、原因、不注意の程度、被害の程度(治療期間、後遺症の有無)、被害者の落ち度の有無、被害弁償の状況(示談や確実な弁償の見込み)、前科の有無等があげられます。よほどの悪質重大なケースでない限り、正式な裁判でも刑務所に収容されることは少なく、執行猶予がつくことが多いです。

 

以上の手続の間、あなたが逮捕されることはないでしょうが、飲酒や無免許運転、ひき逃げの場合は別です。これらは逮捕され、警察署で48時間、検察庁で24時間の身柄拘束が続き、さらに取り調べのために10日間ないし20日間警察署の留置場に拘束されます。

その間に不起訴、罰金となるか、処分が保留となれば晴れて釈放となりますが、公判請求となれば引き続き拘束され、拘置所に移って裁判を待つことになります。

このような場合には、あなたを弁護し、アドバイスしてくれる弁護人を選ぶ必要があります。お金がない場合には国費で弁護士をつけてくれる制度を利用することになります(国選弁護人制度)。

 

A2 行政処分(点数制度)について

運転免許は、点数制度により免許の停止や取消し処分(行政処分)が行われます。

点数制度とは、自動車の運転者の交通違反(信号無視、一時停止違反等)や交通事故に対して一定の点数を付けて、過去3年間の累積点数に応じて免許の停止や取消しを行う制度のことです。

点数には、交通違反に付けられる基礎点数と、交通事故などに付けられる付加点数があり、基礎点数はさらに一般違反行為と特定違反行為に区分され、特に悪質・危険な行為である特定違反行為には高い点数が付けられています(危険運転致死62点、酒酔い運転35点等)。

一般違反行為の基礎点数の例としては、酒気帯び運転で25点または13点、速度超過20km以上25km未満で2点、指定場所一時不停止で2点などです。

 

免許の停止や取消しの処分、欠格期間(取り消し後に再び免許を受けることができるまでの期間)は合計点数によって判断されますが、一般違反行為と特定違反行為では基準が異なります。

一般違反行為の場合、過去3年以内に行政処分を受けていなければ6点~14点で免許停止に、15点以上で免許取消しと1年ないし5年の欠格期間となります。

過去に何度も処分歴があると、停止や取消しまでの点数が低くなります。

あなたがこれまで処分歴がなければ、今回の事故での点数も低く免許停止で済む可能性が高いですが、過去にもスピード違反等があって点数が累積していると、免許取消しとなる可能性もあるでしょう。

 

 

Q 法律の改正で飲酒運転の罰則が厳しくなり、同乗者やお酒を提供した店も処分を受けるようになったと聞きました。どのように改正されたのですか。飲酒運転だと一発で免許取消しですか。

A 平成18年8月に福岡市の海の中道大橋で飲酒運転の乗用車が追突し、幼児3人を死亡させるという痛ましい事件が起き、飲酒運転の根絶に向けた世論の高まりを受けて、平成19年の道路交通法改正により飲酒運転の罰則が大幅に強化されました。

また、飲酒運転が根絶されない背景として、運転者に飲酒を勧めたり、酔っているのに車を提供するなどの助長・容認行為の存在も指摘されていました。このような飲酒運転を援助、助長する幇助(ほうじょ)行為を類型化し、通常より重い罰則を科すこととされました。

以下、主な改正点を見てみましょう。

 

飲酒運転に対する罰則の引き上げ

「酒酔い運転」は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金に引き上げられました。

「酒気帯び運転」は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に引き上げられました。

「飲酒検知拒否」は、3か月以下の懲役または50万円以下の罰金に引き上げられました。

酒酔い運転とは、飲酒により正常な運転ができないおそれがある状態での運転をいい、酒気帯び運転とは、アルコール濃度が呼気1リットルにつき0.15mg以上または血液1ミリリットルにつき0.3mg以上の状態での運転をいいます。

飲酒量が少なくても正常な運転ができないほど酔いが回っていれば酒酔い運転となりますし、お酒に強く意識ははっきりしていても、規制数値以上のアルコールが検出されれば酒気帯び運転となります。

 

車両等提供罪の新設

酒気を帯びて飲酒運転をするおそれがある者に車両等を提供した者は、運転者が酒酔い運転をすれば5年以下の懲役または100万円以下の罰金が、運転者が酒気帯び運転をすれば3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。

 

酒類提供罪の新設

飲酒運転をするおそれがある者に酒類を提供した者は、運転者が酒酔い運転をすれば3年以下の懲役または50万円以下の罰金が、運転者が酒気帯び運転をすれば2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

酒類の提供とは、飲食店の店主が車で来店した客にアルコールを提供する行為が典型例です。酒席で同僚にビールを注いでも提供には当たりませんが、同僚が車で帰宅することが分かっていながら注いだ場合、飲酒運転の幇助罪に問われる可能性があります。

 

同乗罪の新設

運転者が酒気を帯びていることを知りながら自分を運送することを要求・依頼した者は、運転者が酒に酔った状態でそのことを知って同乗した場合には3年以下の懲役または50万円以下の罰金が、運転者が酒に酔った状態にある認識がなく同乗した場合には2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

 

救護義務違反に対する罰則の引き上げ

いわゆるひき逃げ(救護義務違反で、被害者の死傷が運転者の運転に起因する場合)の罰則が、10年以下の懲役または100万円以下の罰金に大幅に引き上げられました。

 

飲酒運転の点数引き上げ

平成21年から基礎点数が引き上げられ、酒酔い運転35点、酒気帯び運転(アルコール濃度呼気1リットルにつき0.25mg以上)25点、同(0.15mg以上0.25mg未満)13点となっています。

この結果、違反歴が無くても酒酔い運転や0.25mg以上の酒気帯び運転では14点を超えるため一発で免許取消しとなり、欠格期間もそれぞれ3年、2年と大変長期間になります。0.25mg未満の酒気帯びでは免許停止90日です。

 

飲酒運転による事故の被害は残念ながら後を絶ちませんが、「これぐらいなら大丈夫」という安易な考えが引き起こす結果は、被害者やその家族のみならず、運転者自身やその家族にも大きな影響を与えます。

たとえ刑務所に収容されなくても多額の罰金を一時に支払う経済的負担は大きく、逮捕により勤務先での懲戒処分(停職、解雇等)の対象となり、社会的信用を失います。免許がないことは再就職の大きな妨げにもなります。

「飲んだら乗るな」当たり前のことですが、肝に銘じるべきです。

 


Q 道路交通法が改正されて無免許運転の罰則が厳しくなったとか、自転車は路側帯の左側しか走行できなくなったと聞きましたが、具体的にどのように改正されたのですか。

A 平成25年12月から道路交通法が改正されました。主な改正点を見てゆきます。

 

無免許運転に対する罰則強化

無免許運転に対する罰則が3年以下の懲役または50万円以下の罰金に引き上げられました。

また、行政処分についても違反点数が25点に引き上げられ、欠格期間も2年に引き上げられました。

無免許運転に対する下命(かめい)・容認や、偽りその他不正の手段によって免許証の交付を受けた者に対する罰則も、無免許運転と同内容になりました。下命・容認とは自動車の使用者等が他人に無免許を命じたり、認めたりすることをいいます。

無免許運転を行うおそれがある者に対し、自動車や原動機付自転車(原付)を提供して無免許運転がなされた場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることになりました。

無免許であることを知りながら運転者に自動車や原付を運転して自己を運送することを要求・依頼して同乗すると、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることになりました。

なお、無免許には免許の効力が停止されていること(免停)も当然含みます。このように、無免許運転者やこれを援助・助長する周辺者に対する罰則は、飲酒運転同様に大変厳しくなっています。

 

自転車の利用者に対する安全対策

制動装置(ブレーキ)に不備がある自転車を警察官が発見した場合、その場で停止させ検査をすることができるようになりました。その上で、運転者に危険を防止するために必要な応急措置を命じたり、乗車禁止を命じたりすることができるようになりました。命令違反に対しては5万円以下の罰金が科されます。

近時、ノーブレーキピスト自転車と呼ばれるブレーキ等を備えていない自転車(主にトラック競技用です)で公道を走行し危険な事故を引き起こす問題が指摘されたため、規制されることとなったものです。

 

次に、路側帯(ろそくたい)における自転車の通行が左側に限定され、右側を走行することが禁止されました。

路側帯とは、歩道の設けられていない道路または道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示(白線)によって区画されたものをいいます(歩道の設けられている側の白線は車道外側線であって、路側帯ではありません)。違反に対しては3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されます。

これまで路側帯は左右いずれも通行できたのですが、右側通行の自転車が駐車車両等を避けようと路側帯からはみ出した際に、対向自動車と出合い頭衝突するケースが多発していたため、規制されることとなりました。

自転車は道路交通法上、軽車両(けいしゃりょう)として自動車や原付バイクとともに「車両」の扱いです。

車両は本来、歩道または路側帯と車道の区別のある道路においては車道を通行しなければなりませんし、その際道路の中央から左側部分を通行しなければなりません。軽車両は例外的に路側帯も通行できるのですが、その場合でも本来の原則どおり、左側通行をすべきと定められたのです。

 

 

Q 携帯電話を見ながら自転車に乗っていたところ、警察官に「危険行為に当たるのでやめてください」と注意されました。悪質な場合には罰金を払ったり講習を受けなければならなくなったとのことですが、法律がどう変わったのですか。

A 平成27年6月より道路交通法が改正され、自転車の危険な運転を繰り返すと講習を受けなければならない制度がスタートしました。

 

自転車の危険な運転に対する規制

歩道を歩いていたら自転車がすれすれで追い越して行き、危うくぶつかりそうになった経験のある方も多いでしょう。警察庁の統計によりますと、平成26年に発生した交通事故のうち自転車が関係する割合は約2割を占めています。また同年の交通事故で死傷した自転車運転者約10万人のうち約64パーセントが、信号無視などの道路交通法違反に問われるケースだったとのことです。

自転車は運転免許が不要であり、体系的な交通安全教育の機会がほとんどないため、交通ルールを無視、あるいは知らないことにより危険な運転がなされやすいといえます。そこで、重大な事故を未然に防ぐために一定の危険な行為を「危険行為」に指定し、3年以内に2回以上摘発された場合は運転免許センター等での自転車運転者講習を受けなければならなくなりました。

講習時間は3時間、内容は交通ルールの知識の確認、事故の実態についての映像視聴等が予定されているようです。

なお、公安委員会からの受講命令を受けて3か月以内に受講しないと5万円以下の罰金が科されます。

 

危険行為としては14種類が指定されています。主なものとして、信号無視、酒酔い運転、ブレーキ不良自転車の運転、一時停止違反、安全運転義務違反(傘差し運転、携帯電話使用による片手運転等)が挙げられます。

これらの危険行為にはもともと罰則(罰金)がありますが、自動車の場合は通常、反則行為として反則金を納めれば刑事事件にはなりません(酒酔い運転は別です)。他方、自転車は反則金制度の対象外であり、いきなり刑事事件とするのは酷であるためこれまで摘発はほとんどありませんでした。

しかし、悪質な自転車運転による死傷事故が後を絶たないため、現在では事故を起こさなくても違反に対して交通切符(いわゆる赤切符)を交付して、刑事処分に踏み切る例がみられるようになってきました。

 

 

Q 最近、薬物や病気の影響で事故を起こすと危険運転致死傷という重罰に処せられるとの報道を目にしましたが、どのように法律が変わったのですか。病気があると車の運転ができなくなってしまうのか心配です。

A 平成26年5月より、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷処罰法)が施行されました。

飲酒運転による死傷事故に対しては、以前は刑法の「危険運転致死傷罪」の適用が検討されていました。しかし、「正常な運転が困難な状態」で自動車を走行させることが要件とされていたため、飲酒の影響があってもそれなりにまともな運転をしていた場合には、適用が見送られるケースがありました。

しかし、それでは自動車運転過失致死傷罪と飲酒運転の罪にしか問われず、最大でも10年6月以下の懲役に止まるため、危険運転致死傷罪の刑(死亡事案で1年以上20年以下の懲役、負傷事案で15年以下の懲役)と比較してあまりに不均衡であるとの批判がありました。

 

また、てんかんの投薬治療を受け、てんかん発作により意識を失い事故を起こした経験があるため医師から運転をしないよう指導され、発作の予兆を感じていたにも関わらず、運転中に発作を起こして意識を失い多数の歩行者に衝突し死傷させる痛ましい事件が発生しました。このような危険な事案に対して、自動車運転過失致死傷罪しか適用されないのは不均衡であるとの指摘がなされました。

そこで、悪質危険な運転者に対する厳罰化を盛り込んだ新法を制定し、危険運転致死傷罪や自動車運転過失致死傷罪を刑法から移設することとされました。主なポイントは次の3点です。

 

危険運転致死傷罪の規定の整備

アルコール、薬物または一定の病気により正常な運転に死傷が生じるおそれがある状態で、そのことを認識しながら自動車を運転した上、客観的に正常な運転が困難な状態に陥って人を死傷させた者が、新たに危険運転致死傷罪の対象とされました。法定刑は、死亡の場合が15年以下の懲役、負傷の場合が12年以下の懲役となります。

「一定の病気」については政令で定められていますが、認知・予測・判断・操作といった自動車の安全に必要な能力のいずれかを欠くおそれがある症状を呈する統合失調症、低血糖症、そううつ病(そう病、うつ病を含む)、意識障害や運動障害をもたらす発作が再発するおそれがあるてんかん(発作が睡眠中に限り再発するものを除く)、再発性の失神、重度の眠気の症状を呈する睡眠障害、とされています。

 

「逃げ得」を許さない罰則の新設

アルコールや薬物の影響で正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転し、必要な注意を怠って死傷事故を起こした場合に、更にアルコール等を摂取したり、その場を離れてアルコール等の濃度を減少させたり、運転時のアルコール等の影響が発覚することを免れる行為をした者に対する罰則(12年以下の懲役)が新設されました。

 

無免許運転による刑の加重規定の新設

無免許運転をした際に人を死傷させた場合、上記の罪が更に重くなります。例えば、無免許運転で赤信号無視で交差点につっこんで、対向車に正面衝突して運転者を負傷させた場合、危険運転傷害の刑(15年以下の懲役)より重い6月以上20年以下の懲役となります。

ところで、一定の病気による危険運転致死傷罪の創設に対しては、指定された病気の疾患を抱える人が事故を起こす確率が高いという客観的なデータはない、政令で病名を特定すること自体が差別であり、病気を抱えながらも正常に運転している多くの患者の運転の自由を奪いかねないという批判がなされました。

国会審議において、法務大臣は「病名だけで一律に対象とするのではない。道交法においても運転免許の欠格事由が一定の病気に定められているが、それも参考にして病名よりもその症状に着目し、自動車の運転に支障を及ぼすおそれのあるものに限定する」旨の答弁をしています。

このような観点から、政令では一定の症状を呈するという条件が付されており、事故を起こした際に指定の病気であったというだけで直ちに重い罰則が科されることはないと考えますが、実際の運用において拡大解釈がされることのないよう注意が必要です。

 

 

Q 息子が赤信号無視のダンプカーにはねられ亡くなりました。加害者は事故翌日に病院に来たものの、通りいっぺんの謝罪だけで葬儀にも参列せず、心から反省している様子が見えません。このままでは亡くなった息子が浮かばれません。刑事裁判で遺族が発言したり、加害者に求刑できる制度があると聞きましたが、どのようなことができるのか教えてください。

A 被害者参加制度に基づいて、加害者の刑事裁判に参加し、加害者(被告人)に直接質問したり、遺族の思いをぶつけたり、独自に求刑をすること等ができます。

 

被害者参加制度とは

かつて、刑事裁判は被告人に罪を問い処罰するための手続であり、被害者は証拠の一つという位置づけでした。しかし被害者のいる事件では、被害者こそが自分を苦しめた加害者が裁判でどのような弁解をしどのような処罰を受けるのか、最も大きな関心があります。死亡事案では、被害者からの反論がないのを良いことに、加害者が都合の良い弁解をして被害者や遺族の名誉を傷つけることも少なくありません。

犯罪被害者団体の粘り強い働きかけにより、犯罪の被害者の尊厳を重んじ、その尊厳にふさわしい権利を保障するための犯罪被害者等基本法が制定され、同法の趣旨にのっとって刑事裁判手続も改正され、被害者参加制度が導入されました。

 

この制度を利用するには、事件を担当する検察官に刑事裁判への参加の申出をする必要があります。電話での連絡でもかまいません。参加できるのは、被害者自身、被害者が幼い場合の両親、被害者が亡くなった場合等の直系親族やきょうだい等です。

あなたの申出を受けた検察官は、速やかに裁判所に連絡します。裁判所は被告人や弁護人の意見を聴いた後、あなたの参加を認めるかどうか決定します。参加が認められた場合、あなたは裁判で次のような権利を行使できます。

 

在廷権

傍聴席ではなく柵(バー)の中に席が与えられます。通常は検察官の横に座ることが多いようです。

 

証人に対する質問

加害者の親族が今後の加害者の更生に向けて監督・協力する等と証言することがありますが、裁判の前に「これ以上は面倒は見きれません」と話していたらどうでしょう。裁判所で言うこととどちらが本当なのか問いただしたいと思う場合、検察官に質問を申し出れば、裁判官の許可を得てあなたは加害者の親族に質問をすることができます。

 

被告人に対する質問

どうして赤信号を無視したのか、なぜ葬儀に来なかったのか、息子に対してどのように済まないと思っているのか等を直接尋ねることができます。なお、被告人に罪を問うのは検察官の役割ですので、検察官の質問と重ならないよう、事前に検察官と打合せをする必要があります。

 

意見陳述権

事件全体について、あなたが言いたいことをまとめて意見を述べることができます。また「執行猶予ではなく実刑にしてほしい」等の求刑をすることもできます。

検察官の論告、求刑の後に行われる被害者としての論告・求刑です。事前に検察官に対してどのような意見陳述をするのか伝えておく必要があります。

 

以上のような手続を被害者や遺族だけで行うのはとても大変です。そこで、被害者のために弁護士を選んでサポートしてもらう制度が設けられています(被害者参加弁護士の制度)。

弁護士は被害者と十分打合せをし、どのような権利行使を行うかを担当検察官と交渉します。裁判では、あなたの横に座ってあなたが質問する際にアドバイスしたり、あなたの代わりに被告人に質問を行うこともできます。

弁護士に依頼する費用の余裕がない場合、弁護士の費用を国が援助する制度もありますので、詳細は弁護士にご相談ください。

 

 


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